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高齢者虐待(基礎知識)

2026-05-17
高齢者虐待防止について(基礎知識)

高齢者虐待防止は、介護現場において利用者の尊厳を守るための重要な取り組みです。「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)は2006年に施行され、虐待の防止と被虐待高齢者の保護、養護者への支援を目的としています。

近年では介護サービス事業所において、高齢者虐待防止の取り組みが義務化されており、委員会の開催、指針の整備、担当者の選任、定期研修の実施などが求められています。

虐待の対象となるのは原則65歳以上の高齢者で、主に「養護者による虐待」と「介護施設従事者等による虐待」に分類されます。養護者とは家族や親族、同居人など日常的に介護や支援を行う人を指します。

虐待の種類は主に5つに分けられます。①身体的虐待(暴力や身体への危害)②心理的虐待(暴言や無視など)③性的虐待(同意のない性的行為)④経済的虐待(財産の不正使用や制限)⑤介護・世話の放棄(必要なケアを行わないネグレクト)です。

また、虐待を発見した場合、通報は重要な義務とされています。生命や身体に重大な危険がある場合は速やかな通報が必要であり、職務上知り得た情報の漏洩には罰則も定められています。

令和6年度の調査では、介護施設従事者等による相談・通報件数は3,633件、そのうち虐待と判断されたのは1,220件でした。相談の多くは施設職員や管理者、家族などから寄せられています。

虐待の背景には、職員の知識・技術不足、倫理観の欠如、業務負担やストレス、認知症ケアの難しさ、組織の連携不足などが挙げられます。また、経営層の理解不足や体制整備の不十分さも要因となります。

虐待防止のためには、理念の共有、正しい知識の習得、チームケアの推進、業務環境の改善、振り返りの機会の確保が重要です。一人で抱え込まず、組織全体で支え合う体制づくりが求められます。
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